赤牛岳

2864m
2006年8月13〜15日 歩行時間 1日目 約5時間30分
       2日目 約8時間
       3日目 約5時間30分
(1日目) 黒部ダム7:00→ロッジ黒くろよん7:40→梯子手前8:30/40→中の谷9:50/10:10→平の小屋10:35/渡船場12:20→奥黒部ヒュッテ14:45 
(2日目) 奥黒部ヒュッテ5:20→「1/8」5:55/6:05→「2.5/8」6:50/7:00→「4/8」8:00/15→「5/8」8:50/9:00→「6.5/8」10:00/10→赤牛岳11:00/30→「5/6」12:15/30→「3/8」13:30/45→「1/8」14:50/15:00→奥黒部ヒュッテ15:20
(3日目) 奥黒部ヒュッテ5:55→渡船場7:50/平の小屋10:45→御山谷13:30/14:10→ロッジ黒くろよん14:40→黒部ダム13:20



●北アルプス深部の山
  赤牛岳は北アルプスのほぼ中央部に位置している。北側の黒部湖側からでも南側の新穂高温泉からでも、頂に立つのに2〜3日以上かかる。以前アルペンルートを使って立山・剣岳に登ったが、その道すがら黒部ダムから見た赤牛岳は、湖面の彼方に大きな図体を横たえていたのが印象深い。一昨年も赤牛への山行計画を盆休みに立てたが、天気が今ひとつで断念した事がある。今年も当初は12日から入山して周回コースを取ろうとしたのだが、12日は全国的に悪天で13日から入山する事にした。
 東京から中央高速を豊科へ走り、一般道を使って扇沢まで入る。家を出てから約4時間の行程だ。盆休みでの帰省ラッシュを懸念して12時過ぎに出発したが、思いのほか順調で4時過ぎには扇沢に到着した。盆休みだけ会って舗装された上の駐車場は満車で、トンネルに脇にある町営の駐車場に車を入れ、車内で仮眠を取る。車の周囲で人気がして目が覚める。時計を見ると5時30分、そろそろと準備をはじめる。扇沢から黒部ダムへのトロリーバスは6時30分が始発だが、切符の販売は6時過ぎに始まる。装備を整え切符売場へ行くと、既に長い列が出来ていた。何とか切符を購入して始発バスに乗れたが、盆休みの繁忙期は乗りたい時刻の約30分前に並ばないと、乗り遅れてしまいそうだ。大きいリュックを荷物専用車に積んでもらいバスに乗れたのは、発車3分前だった。涼しいトンネルを走りぬけ黒部ダムに到着、いよいよ赤牛山行の始まりだ。
 

黒部ダムよの立山大観望


黒部湖の彼方に赤牛岳


タンボ沢を渡る


始めは歩き易かった登山道


階段の登下降が続く


平の渡し

●黒部湖沿いの水平歩道
  黒別ダムの堰堤を渡りきり、トンネルの中で「ロッジくろよん」方面に分岐、遊覧船乗場を抜けると登山道の始まりだ。ダムから「ロッジくろよん」迄は、コンクリートで舗装された遊歩道が続く。ロッジを通過してから、土の登山道が始まった。朝早く涼しい事も手伝って、ピッチ良く距離を稼ぐ。道は概ね平坦で歩き易いのだが、湖の岸に沿って道が付けられているため、左右のアルバイトが結構ある。直線距離の倍は歩く感じだ。御山谷を越えた辺りから、次第にアップダウンを繰り返すようになる。梯子段を下り少し進んで梯子段を上り返す。中には40段を越す直登の梯子もあり、結構緊張する。平の小屋から「平の渡し」で黒部湖を横断するが、10時の船の次は12時まで船が無い。最初は間に合うと思っていたのだが、梯子の連続にペースがダウン、中の谷でとうとう10時の渡船をあきらめ、一服してゆく事にする。ここで10時を目指して歩いている数組のパーティーに抜かれた。幕営装備を担いでの、長い梯子のアップダウンは予想以上に消耗する様だ。平の小屋に着いた時には、脹脛が結構張っていた。

  平の渡しは、関西電力が黒部ダムを作った事で登山道が遮断されてしてしまった事から、運行を始めたものらしい。利用料は無料だった。12時の船は、20名ほどの登山者を載せて対岸に渡った。渡しから先は、黒部湖の東側を進む事になる。梯子や桟道が随所に出現し、頭上の岩にザックが引っかからない様に注意しながら歩いた。この行程、随所に湧き水があって飲料水の確保には事欠かない。冷たい水で汗をぬぐいながら、ゆっくり一歩一歩進んでゆく。明日からの行程や足の負担を考えて、ペースを落として歩いたが、15時前に奥黒部ヒュッテに到着する事が出来た。幕営地はヒュッテと東谷沢の間にあり、結構広い広場になっている。水場も整備されていて使いやすいテン場であった。冷たいビールを、茹でたてのソーセージ、枝豆を肴に飲み干す。300oが500円、500mmが700円だったが、足りなくなったビールを買いに、何度もロツジとテントを往復する事になった。

桟道を進む

連続する梯子と階段

ロッジより暗い樹林帯を登る
●赤牛を目指す。
 2日目は4時に起床し、雑炊とミニカップうどんで朝食を済ます。今日は読売新道で赤牛岳を往復する予定だが、このコースの標準タイムが地図によって随分違う。94年の昭文社地図では登り5時間、下り3時間になっているが、04年版では登り7時間、下り5時間になっている。随分と差があるが、一時コースが荒れたのを整備した事と、登山者の高齢化が進んだ事で最近のコースタイムが余裕を持った時間設定になっている事が影響している様だ。何れにせよ長丁場のコース、気を引き締めて歩きはじめる。このコース水場が無いため、スポーツドリンク500mm4本、水500mm2本、それとビール350mm2本を持って登る事にする。(ビールも立派な水分補給だ。)

 ロッジ裏手の樹林帯の中、いきなりの急坂で登山道は始まる。このコースは、標識がしっかり立っていて残りの行程の目安が付け易い。歩き始めて30分少々で1/8の標識があり、ここで一休みする。まだ涼しいにもかかわらず、汗が一気に吹き出してくる。一息ついて再び歩く。延々と続く登りだが、大きい木の根や岩をまく場所ではロープや足場がしっかりしていた。途中の4/8標識のある地点は、樹林帯が少し開けた明るい場所で休むのには丁度良い場所であった。4/8の標識を過ぎた辺りからは、斜度は緩くなるものの木の根がうるさい尾根上のルートを進む。やがて樹林の背が低くなり視界が開けてきた。この辺りからは景色を楽しみながらの稜線漫歩といった気分となる。眼前に目指す赤牛岳の山頂部も見え始めた。今年は雪が多かったのであろう、赤牛山頂直下では残雪も残っていた。奥黒部ヒュッテから歩き始めて約5時間30分、赤牛岳の山頂に到着した。山頂には、水晶岳方面から縦走して来た登山者や、これから水晶方面に向かうパーティー等、結構賑やかだった。朝に野口五郎や三俣蓮華の小屋を出発すると、やはり5〜6時間で赤牛に到着する。奥黒部からと同じぐらいのコースタイムで、丁度交差する時間帯なのであろう。少しガスがかかり始めていたが、山頂からは、水晶、鷲羽、野口五郎と言った南方稜線の山々、黒部川を挟んで薬師岳の長い稜線、背後には立山と、見飽きる事の無い大展望が広がっていた。360度の山景色を堪能しながら飲んだビールは格別であった。

樹林の中、延々と登る


ロープ伝いの登山道


視界が開ける
黒部渓谷越の剣・立山方面


6/8付近より赤牛岳

7/8付近より赤牛山頂

赤牛山頂にて
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