八丁廃村

2001年11月23日 歩行時間  約4時間30分
菅原集落 → ダンノ峠 → 八丁廃村 → 847mピーク → 菅原集落
 9:15発   10:00着   11:30着    13:50着    14:50着
                   12:40発



●京都北山 廃村八丁
 京都には、1000mを越える図抜けて高い山は無い。しかし京都盆地から若狭湾に至る、うねうねと続く大丘陵地帯は、「北山」或いは「丹波高原」と呼ばれ深山の趣がある。関東近県や上信越の山にある「華々しい眺望」や「屹立する岩峰」は無いものの、地味で同じような山が幾重にも重なっているこの山域は、いかにも日本らしい山岳風景が広がっていた。そんな京都北山の八丁廃村を、落葉の季節に訪ねた。

 京都の鞍馬から山里を抜けて若狭湾に至る小浜街道は、市街地を離れるとすぐ山道となる。観光バスも多い鞍馬を抜けると、通る車もまばらになる。京都の市街地から約1時間、到着した菅原が今日の出発地点だ。菅原集落のはずれに車を停め、装備を固めていざ出発。京都市内から鞍馬付近までは赤や黄色の紅葉が綺麗だったが、登山口の菅原集落の辺りでは、もう既に木々は葉を半ば落としていた。吐く息が白い。八丁廃村へは幾つかのルートがあるが、今回は「ホトケ谷ルート」から入って「オリ谷ルート」で戻る、周回コースを歩く事にした。

 舗装道路を歩き始めて10分程で、標識が立つ登山口を通過する。こここからは山道、植林された杉林の中をぐんぐんと登っていく。京都北山は、多くの峠道が縦横に張り巡らされて谷底集落を結んでいるが、いま歩いている登山道もそんな峠道の一つで、かつては八丁集落への生活道路であったのだろう。歩き始めて約40分、ようやくダンノ峠に到着した。   

菅原集落を出発


ダンノ峠に到着


刑部谷に沿って進む

八丁廃村集落跡


八丁廃村に
●沢沿いの道を辿って八丁廃村へ
 ダンノ峠からは沢に沿って緩やかな下りとなる。小さな峠をひとつ越えただけで気温が違うのか、峠の手前では半分ぐらいの木々が葉を残していたが、峠から先では落葉樹は殆ど葉を落としていた。沢の水音を聞きながら、落ち葉をカサカサ踏んで進んでいく。登山道としての標識が所々に立っているが、概して歩く人の少ない道の様で、踏み跡が判別しにくい場所が何箇所かあった。刑部谷が四五郎谷と合流する手前で、「甘い香り」のする地点に遭遇する。御菓子を思い出させる様な不思議な香りだ。今まで随分あちこちの山を歩いて来たが、このシロップの様な香りは初体験だった。岩が甘く香る事は無いだろうし、何かの木の樹液だろうか。もし機会があれば、香りの元を突き止めてみたいものである。
 ダンノ峠から約1時間半、沢筋が開けて来ると八丁廃村に到着する。苔生した石垣が、かつて集落が有った事を偲ばせる。蛇行する沢筋の河原に降りて、陽のあたる暖かな場所で昼食を取る事にした。

ババ谷に沿って登る
●ババ谷からの急登
 八丁廃村からの復路は、ババ谷から卒塔婆峠付近を越えて戻る事にする。卒塔婆峠手前の尾根筋をショートカットして登ったが、これが結構な急登で、潅木に掴まりながらの登りになった。

847mピークへの急登
●誘導犬?に導かれて
 ババ谷を登り返していると、後方から二匹の犬が我々のパーティーに追いついて来た。そのまま先に行ってしまうかと思ったら、少し先に行ったところで待っている。我々が追いつくと、また先にいって、見えなくなる手前で立ち止る。首輪が付いているので飼犬に違いない。良く人になれた犬で、ピークで小休止をしていると我々から離れようとしない。「遭難者の救助犬だろうか」などと話していたのだが、結局この犬達、下山口周辺まで一緒について来た。林道の終点にたどり着くと、クルーザーで乗り付けた飼主がおり、狩猟犬だとの事であった。オリ谷側の林道に出てから約30分で、今日の出発地点、菅原集落にたどり着いた。

 京都の山は著しいピークを持った山が少ない。今日歩いた八丁廃村の周辺も、目立ったピークが殆どない山域だった。ここには、いわゆるピークを目指す「登山」は無い。「登山」では無くて、沢の水音や森の木々を楽しみながら、山の"ひだ"に沿って歩く「山歩き」がここでは楽しめる。春や秋の季節、のんびり自然を楽しみながら歩く「山歩き」の楽しさを、改めて思い出させてくれた八丁廃村であった。
847mピークにて


ススキの原を下りオリ谷へ
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