奥穂高岳

3190m
2000年9月14〜15日 歩行時間  1日目 約5時間
        2日目 約8時間20分
   上高地  →  横尾  →  本谷川橋  →  涸沢
    7:50    10:10/10:20  11:20/11:30    13:15
  涸沢  →  奥穂山荘  →  奥穂高岳  →  奥穂山荘  →  涸沢  →  横尾  →  上高地
  5:15      7:05/7:20     7:50/8:15     8:40/8:50  10:10/10:50  12:40/12:50   15:15




河童橋付近から望む穂高の山並



横尾から穂高を望む


遠方に涸沢カール上部が見える

涸沢ヒュッテから北穂方面を望む
●乗り合いタクシーで上高地へ
  今まで登り残してきた北アルプスの奥穂高岳に、上高地より涸沢を経由してのオーソドックスなルートで登った。東京を深夜3時に出発、8月の槍ヶ岳の時のような事故渋滞も無く、順調に松本に到着、上高地への登山基地となっている沢渡に7時前に到着する。この時間帯はバスが少なく、どうしたものか思っていると、タクシーの運転手から「乗合で行かないか」と声を掛けられる。聞けば居合わせた二人の登山者との相乗りで、一人1200円で上高地まで行ってくれると言う。バスで行くと沢渡から上高地まで片道1350円、往復割引でも片道1200円かかる。これは使わない手はないと、タクシーで上高地まで入ることにした。

雲ひとつ無い快晴の中、涸沢を目指す
 上高地から横尾までは、8月に槍ヶ岳に登った時と同じルートを辿る。時間が早いせいからか、まだ観光客はまばらだった。横尾は槍ヶ岳への道との分岐に位置しているが、この日は涸沢方面に歩く人が多いようだ。梓川にかかった立派な橋を渡り登山道に入る。涸沢の広い河原に沿って登山道を進むと、やがて正面に涸沢カール上部が見えてきた。対岸には前穂高の岩塊が聳え立ち、木々の間から見えるカールは絵になる風景だ。
 横尾から約1時間で本谷川橋に到着すると、対岸の木陰に大勢の登山者が休んでいる。さすが北アルプスの人気コースだけあって人が多い。自分も木陰を見つけてザックを降ろすと、涼しい風に汗がすぐ引いていく。カラッとした9月の山は、実に気持ちがいい。ここから涸沢まではあと一息、時折木々の間から現れる岩峰を楽しみながらの、気持ちよい登りだ。本谷川橋から約1時間半、前方の森の上空に「吹流し」が見えてきた。その下が涸沢ヒュッテになっていた。  
●絶景の中での生ビール
 テントの受付を済まし、ガレ場に点々とある平らな場所を見付け、急いでテントを設営。ザックをテントの中に放り込んで、涸沢ヒュッテに取って返した。生ビールを飲むためである。
 3000mの岩峰に囲まれたカールの底に在る涸沢ヒュッテ、その屋上に設けられた展望台で、思いっきり飲んだ生ビールは実に美味しかった。(一杯800円)  

「ビアガーデン」
涸沢


カール内は石畳の登山道を登る


ザイテングラート取り付き部


奥穂岳山荘からの急登


岩の上に建つ奥穂山頂の御社

●雨交じりの天候の中、ザイテングラートを登る
 2日目は初日と変わって、朝から雨混じりの天気になった。周囲のテントの動きも今ひとつ冴えないようだ。これが天気の良い日だと、星と月明かりのもとで朝の3時前から出発準備の音が聞こえてくるものなのだが...今日は入口から顔を出して、空を伺っているテントが多い。せっかく涸沢まで入ったのだしと、意を決して登山靴を履く。朝5時15分、ヘッドランプを点けての出発となった。
 テント場から涸沢小屋の前を通過し、カールの縁を回り込みながら登山道に入った。石畳を歩くこと約50分、小さな尾根を回り込んで越えると、いよいよザイテングラートの取付きだ。ザイテングラートは、奥穂高岳山荘の在る稜線部から涸沢カールに向かって降りる小稜線だ。この小稜線の背の部分に道がつけられている。所々に梯子や鎖があるが、概ね足場はしっかりしており危険な個所は無かった。取り付いてから約1時間で奥穂高岳山荘に到着した。

ザイテングラート上で涸沢を振り返る

 ザイテングラートの鎖場と梯子
静かな奥穂高岳山頂
 奥穂高山荘で暖かなコーヒーを飲んだ後、荷物をさらに軽くして、小さなアタックザックだけを背負って山頂を目指した。時折、雨が頬をたたきつけるが風はそれ程強くは無い。山荘からは、いきなり梯子と鎖の直登が始まるが、急登は僅かの距離であった。霧のため見通しが悪く、何度かピークにだまされるが、山荘から歩き始めて約30分で奥穂高岳山頂に到着した。前にいたグループが岳沢方面に下っていくと、山頂には自分一人。天気が悪いとはいえ、ここは北アルプスの最高点、それにしては寂しい山頂だった。持って上がった冷たいパイナップルを食べた後、山頂を後にすることにした。
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